フランスのディプレッシヴ・ドゥーム・メタル・バンドの’13年1st。メンバーは2人で片方がギターとサンプリング、片方がギターとヴォーカルという編成。ドラムやベースはサンプリングによる打ち込みと思われます。
スローで単調なリズムに不穏なギター・フレーズ等はディプレッシヴ・ブラック的ですが、ヴォーカルはイカついグロウルやハードコア寄りなスクリーム・スタイルが中心でそこに朗唱も交えてくるスタイル。さらにノイズ混じりのヘヴィなリフはスラッジ・ドゥーム的であり、総合的にはディプレッシヴ・ブラック的な陰鬱さとスラッジ・ドゥーム的な遅さ、重さを交えたディプレッシヴ・ドゥームといった感じのサウンド。
曲の長さは5〜7分程度で、そんなに極端に長くないのも特徴。不穏なギター・フレーズの静のパートと、ヘヴィなリフの動のパートを切り替える展開が聴きどころで、ところどころポスト・ブラック的なフワフワした質感のパートや虚無感のある無機的なパートも交えてくるところも特徴的。寒々しく不穏なトレモロ・リフとブラスト爆走によるTr.10はブラック・メタルですが、総合的にはブラック・メタル好きよりもブラック・メタル要素のあるスラッジやドゥーム・メタルが好きな方にオススメな内容です。